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一方、爆音の発生源となったその場所では非日常の光景が広がっていた。
周りのビルや建造物から火や煙りが上がり、そんな中を偶然その場に居合わせてしまった不運な人々が悲鳴を上げながら逃げ惑っている。
騒ぎを聞き付け出動してきたであろう警官達は皆倒れ、パトカーも煙りを上げ佇んでいた。
そしてそんな光景を尻目に街中を我が物顔で歩く者達がいる。
それこそがこの非日常を生み出した元凶である。
「ふん、どいつもこいつも張り合いの無い奴らだ」
破壊の元凶であるバントスは逃げ惑う辺りの人々の悲鳴を鬱陶しそうに聞き流しながら言った。
そのバントスの後ろでは大量の下級兵士ジャークス達が「シャーシャー」と言う言葉とでも言うべきものを規則的に繰り返しながら発している。
そんな惨状が広がる場所へ一人の男がやってきた。
先程まで彰達と問答を繰り返していた謎の男である。
「やはりもうクライアスの攻撃が始まっている…!」
男は物陰に身を隠すと、そこからバントスらの様子を見渡しながら呟いた。
そこに男を追ってきた彰も現れた。
「ついてきたのか…彰君?」
彰の姿を認めた男が言う。
「だって訳分かん無いままいきなり行っちゃうんだもんアンタ…」
彰はそう言って男と同じ場所へ身を隠す。
「というか、何なんだよ…コレ!」
彰は自分の目の前に広がる信じられない光景を前に驚きの表情と共に言った。
化け物の集団とあちこち破壊されている街の姿を見れば当然の反応であろう。
「これが私が先程まで話していた事の真実だよ。」
男が重々しく呟く。
「じゃああの化け物達がその邪悪な集団って奴なのか?」
「ああ、その通りだ」
「マジかよ…」
彰は未だ信じられない様子で呟く。
そこに彰を追って翔ら4人も姿を見せた。
「お前等…」
4人の姿を認めた彰が呟いた。
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