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<地球>
いつもと変わらない平和な朝、南ヶ丘高校に通う3年生・火村 彰はいつもと変わらず寝坊をし学校へと急いでいた。
「あ~遅刻だ遅刻!今日遅刻したら10日連続だぞ!何で母ちゃんも起こしてくんないかな~」
そんな事をぼやきつつも走る彰。
そして曲がり角を曲がったその時、彰は何かにぶつかった。
「いってぇ~」
頭をさすりながら彰は立ち上がった。
「おじさん、大丈夫?俺急いでたんだ、ごめんね。」
「いや、こちらこそすまない…」
謝る彰に対しそう言いながら立ち上がった男は、40半ばから50代くらいの紳士風の男だった。
「怪我ないなら、よかった!それじゃ!!」
彰は相手の男に目立った外傷が無い事を確認すると再び学校へ向かおうと足を進め始める。
しかし男はそんな彰を呼び止めた。
「待ちたまえ!」
呼ばれた彰は再び足を止めた。
「何?やっぱどっか痛いの?」
「いや、君に頼みがあるんだ。」
「頼み?」
「いきなりこんな話をしても信じられんかもしれんが実は、今この地球はある邪悪な集団に狙われている。
私はそれに対抗する為にフォースという力を操る素質をもつ人間を探しているんだが…
少し話を聞いてくれないだろうか?」
「はは…ちょっとおじさん、朝っぱらからよっぱらってんの?
俺そういう話嫌いじゃないけど、今急いでるんでごめんね…じゃ!」
彰は突拍子も無い話をする男を不気味に思い、慌てて学校へ走っていってしまった。
男は走り去った彰が落としていった生徒手帳を拾い上げそれを見る。そこには【南ヶ丘高等学校 3年B組 火村 彰】と記されていた。
「南ヶ丘高校か…」
生徒手帳を見た男は一言そう呟いた。
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