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そのころ…
宇宙でも地球でもない不思議な空間。
そこに、巨大な宇宙船と城が一つになったような巨大要塞・クライキャッスルがあった。
その要塞の主達こそギャラクシーフォースが追っている宇宙最大の邪悪なる組織『邪神帝国・クライアス』の面々であった。
「ガハハハハ、地球かぁ!あんな良い星、地球人どもにはもったいないわ!すぐに我らのものにしてくれる!!」
クライアスの幹部の一人で、鍛え上げられた肉体に鎧を纏い、頭部から鋭い二本の角を伸ばした邪悪戦士・バントスが手にした棍棒を振り回しながら叫んだ。
「ふん、いつもながらうるさいやつだ…」
バントスを横目で見ながらそう呟くのは同じく幹部の一人であり機械的な容姿をした邪悪参謀・ザキールである。
「でもなかなか楽しそうじゃない?あんな綺麗な星を私達のものにできるんだから。
それにギルラス様がお創りになられたこのジャークフィールドの中ならば、ギャラクシーフォースの連中が私達の存在を察知する事も不可能だしね。」
同じく幹部の一人であり人間に近い姿と露出度の高い服装の紅一点、邪悪諜報官・リリーアは妖しく微笑みながら語る。
「ビボビボ」
そしてソフトボール大の卵型の身体に一つ目と二本の触覚が特徴的な珍妙な姿の邪悪珍獣ビボットは奇妙な鳴き声を発しながら辺りを飛び回ってはしゃいでいる。
その時、クライキャッスル内全体に暗く重い声が響いた。
「地球を我らのものにせよ…」
「ギルラス様!」
声の主がクライアスの頂点に君臨する邪神皇帝・ギルラスの声と悟ったバントス達はその場にひざまずいた。
「地球にギャラクシーフォースの使いが現れる前に侵略を開始せよ…」
「ギャラクシーフォースですか…。しかし地球はギャラクシーフォースの同盟星ではありません。奴らもそのような星にはまともな戦力は割かないのでは?」
「侵略せよ…侵略せよ…」
ザキールの言葉に答える事なくギルラスの声はそれだけを命ずる。
「まぁ、ギャラクシーフォースが現れようが現れまいがいいじゃねぇか!
俺が地球に行ってちょいちょいと鬱陶しい人間共を全て消してきてやるよ!」
バントスが意気揚々とザキールに言った。
「フン、好きにするがいい…だが油断はするなよ。」
そして、バントスは大量の下級戦闘兵ジャークスを引き連れ地球へと向かった。
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