17人が本棚に入れています
本棚に追加
〈南ヶ丘高校〉
なんとか無事に学校に到着した彰は、クラスの中でも特に親しい水木 翔、風間 雅樹、雷嶋 沙羅、光野 美央らに今朝であった奇妙な紳士のことを話していた。
「それでその変なオッサンのせいで遅刻したってか?」
翔が小馬鹿にしたように笑いながら言った。
「お前信じてねぇだろ!」
「ああ。」
声を荒げて言う彰に翔は平然と即答する。
「全く相変わらず頭に来る奴だな!」
彰は翔の態度にいつも通り喧嘩越しになった。
「まぁまぁ、二人ともやめろよ」
そしてそれをいつも通り雅樹が諫めた。
ここまではいつも通りの展開である。
続けて沙羅が口を開く。
「でも最近は、ここらへんも結構変質者多いらしいよ」
「えっ、そうなの!?あたし、襲われたりしたらどうしよ~」
美央が大袈裟に言う。
「お前は大丈夫だろ?美央を襲うやつなんかよっぽどもの好きだぜ。」
「どういう意味よっ!」
笑いながらそう言う彰を睨みつけると、美央は彰の足を思いっきり踏んづけた。
「いってぇー!」
彰はあまりの激痛に思わず叫んだ。
これもいつもと同じ光景である。
「いつもあきないな…お前等」
翔が呆れながら言ったその時、始業ベルがなり5人はそれぞれ自分の席に戻っていった。
その後、彰の出会った謎の男の話は特に話題に上がる事も無くその日は時間が過ぎていった。
そして下校時間…。
最初のコメントを投稿しよう!