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「不思議な奴だ」
ナフードが、笑った。
「不思議?」
「それで。話しくらいは聞いてやる。その子達をどうしたい?」
ルナが問い返したことは、うやむやにして、ナフードが聞いた。その時には、一瞬の笑みは消える。
「だから、助けて上げてって言っているのよ」
「同情か?」
「違うわ。要らない罪を背負わせたくはないのよ。あの子達に!」
反射的に言い返して、ルナは我に返る。
「話しはしておくが、結果は保証しない。それで良いか?」
「はい。ありがとうございます。然し、ナフード様でも思い通りに行かないことがあるのですね」
ルナは、深呼吸して、聞き返す。
「管轄が違うこともあるがな。然し、国王からは民の言葉を聞くように言われている。ただ、何故か知らないが、俺が歩いていると皆が、避ける」
ルナには、ナフードが、周りからの評価をどう感じているか分からない。ただ、名前や功績を聞いているルナからすれば、怒らせて良い相手ではないことぐらい、察しは付く。それこそ、ナフードがどう考えるか不明だが、ヴァプラクラスでもなければ、軽い対応はしないだろう。ましてや、民でもないルナに、気さくに接してくれと言われても無理な話しだ。それに、ルナは軍人もネフティス夜皇国も嫌いだ。
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