一章 鬼死還

7/8
前へ
/254ページ
次へ
「じゃあ、生蜥蜴の尻尾とか? 干からびた蛙の死骸とか?」  ヴァプラが、あからさまに言葉を紡いだ。 「種族にもよります。まず、私のような人間には嫌がらせとしか映りません」  ルナは、座り直して勤めて優しく答えた。ヴァプラにどことなく真剣さが見えたのだ。一瞬、ルナにはヴァプラが本気ではないのかと思ったのだ。 「なに。そうなのか」  それに、以外にも素直な反応を示したのがナフードだった。ネフティス夜皇国には色々な種族が入り混じることは、既に調査済みだ。 「え、人間にナフード様が贈り物をなさるんですか?」  ルナは、頭を回転させてから、言った。人間には嫌がらせだが、種族が違うとなるとそれは友好の印という可能性があるのだ。 「あ、いや。何年生きても人間はわからない。踊り子、人間は何を喜ぶ」  ナフードから問われて、ルナは思う。自分の村を焼いた軍隊に、何を答えろというのだろう。然し、今までの苦労を無駄にもできない。 「ちょと噂を耳にしたんですが、黄泉返りのことを教えてくださいませんか。以前、内で不詳を起こした傭兵が、喋っていたんです。なんでも不死になれると」 「不死に興味があるのか?」  ヴァプラが、ルナに訊ねる。
/254ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加