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「はい。少し、興味を持ってしまいました」
ルナは、二人の様子を見ながら言った。
「始めて聞くとそうなるよな。でも、人間の踊り子さんには、危険かもしんねェよ」
ヴァプラは、笑って言葉を濁す。
「黄泉返りの話なら、俺達より詳しい人物が居る。後で、部下を貸そう」
「本当にございますか?」
ナフードが、頷いた。ルナは、その話のとんとん拍子に疑問を浮かべつつもナフードを信じる振りをした。
「ありがとうございます。あ、それで、プレゼントですけれども、女ならば髪留め、男ならば、ピアスなど小物は如何でしょうか」
ルナは、大袈裟に喜んで見せた後に、プレゼントの一例をあげる。
「ふむ。検討してみよう」
ナフードは、それだけ呟いた。ルナは、適当に挨拶をして、外に出る。酒瓶を抱きしめたままで、二人の存在に込み上げて来る怒りを押し殺す。
ルナは、酒の追加を言い渡して、外に出た。馬屋に向かいインクで短い文を書き、伝鳩に取り付ける。鳥目の鳩だから、夜は使えない。文を取り付けたまま、小窓を開いておく。鳩は朝になると勝手に飛び立つ。向かう先は、竜騎部隊の隊長のところだ。南に向かう途中で、引継する。手紙は、大概、時間を経て到着するのだ。
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