一章 鬼死還

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「じゃあ、誰にプレゼントだよ。珍しいを通り越して、世界がひっくり返る話しだよね。それ」 「人選を確実に誤った。時間を割かせて悪かった。もう、帰れ」  ナフードが、溜息混じりに言い放つ。料理も酒もまだ序盤だ。然し、ルナが仕入れた会合とは質が違う。もっと多数の兵士や幹部が集まると聞いていたが、デマであったのだろうか。ルナは、二人の様子を伺ながらも呼ばれるのを待つ。然し、勘の鋭い二人のこと、幾ら、話をしているとはいえルナの気配に気付かないということは無いだろう。しかも、なにやらを誰かに貢話しとなれば、情報として得ていても面白い。ましてや、少将と中将のアングルとなれば、何かしら美味しい話を落としていく可能性はあった。 「帰れって? 人が相談に乗るって言ってるのに。ずいぶん連れないね」  ヴァプラが、口許を緩める。 「なら、何を贈れば良い」  ナフードが、不機嫌に尋ねた。 「だから、誰に?」  ヴァプラの問いに、ルナも頷く。  ナフードが、ヴァプラに耳打ちをした。その途端、ヴァプラが笑い出す。 「笑うな」  ナフードが言った。 「いや、だってさ。へえって感じ?」  ヴァプラの流し目に、ナフードは、酒を呑む。
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