第二章

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黒羽をなんとか引き剥がし、学校へと向かう。   黒羽にはああ言ったが、もちろん金の入る予定などない。   手に入れる予定なのだから。   「おはよう刈魔!」   「おぉ…相変わらずだな」   後ろから平塚誠司の声が聞こえ、後ろを振り向くといつも通りの光景が広がっていた。   誠司の右腕左腕そして背中に美少女がくっついている。   右腕におられますはツンデレの水谷彩(みずたに あや)。   強気な性格の裏側に見える乙女に一部の男子生徒に人気の秀才でございます。   左腕におられますは俺っ娘の紀平梨華(きひら りか)。   少々強引で男らしいが料理が得意の地味完璧超人で男女共に人気を得ております。   そして後ろから首にしがみ付いておられますはロリっ娘の伊藤由来(いとう ゆらい)。   完全に小学生にしか見えない元気っ娘で歩く性犯罪者製造機と呼ばれております。   「どうせなら皆で行こうよ!!」   「お前少しは空気読めるようになれよ…後ろの皆さん方が怯えていらっしゃるじゃねぇか」   「…あれ?皆どうしたの?震えてるし顔面真っ青だよ?」   「…先行くから」   「あ、ちょっと!!」   ――平塚誠司視点――   刈魔はスタスタとその場を後にしたため、誠司は少し残念そうな顔をしていた。   そんな中右側の水谷彩が話し掛けて来た。   「あんたは少し空気読まなさすぎよ!!少しは私がこんなことしてる意味を察しなさいよ…」   次は左側の紀平梨華。   「俺はなんかあいつは苦手だな…」   最後は伊藤由来。   「うん…あの人由来怖い…」   3人共刈魔に苦手意識を持っているようで、見えなくなった途端安堵の息を漏らしていた。   「皆どうして?刈魔はいい人だよ?」   「……だって」   「……なぁ?」   「……うん…」
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