第二章

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相も変わらず騒ぎまくるクラスメート達(主に女子)。   普通ならこの馬鹿騒ぎを静めるのは一苦労するが、三尾先生は落ち着きながらポケットに手を入れ財布を取り出す。   そして刈魔の机に500円玉をそっと置き…。   「刈魔君お願い」   「引き受けた」   そして彼は静かに一言口にする。       「黙らないと刻む」       ただその一言で次の瞬間には席に着いて静まり返るクラスメート達。   その顔色は真っ青であり、額や頬には冷や汗をダラダラ流していた。   「いつもいつも悪いわね刈魔君」   「こっちこそただ一言発するだけで500円もらえるんだ。安いもんさ」   「さて…じゃあ委員長挨拶して」   「は、はい!!」   ――休み時間――   刈魔の元へ1人の生徒が近付いていく。   その顔は恐怖に怯えながらも勇気を振り絞っている。   そして言葉を喉から絞り出すように発した。   「依頼を頼みたい」   その台詞に刈魔はジロリと男子生徒を値踏みするかのような目付きになる。   今すぐにでも逃げ出したくなる足を何とか踏み留め、次の言葉を待つ。   そして口から小さく声が聞こえた。   「いくら用意してきた?」   「7万だ」   「…屋上に行くぞ」   ちなみにクラスメート達は特に驚くこともなく2人を見ていた。   何故なら珍しいことではない。   刈魔は金さえ払えば依頼されたことをこなす『相談屋』としても有名だからだ。   もっとも、逆に言えば見合う金額を用意されないと全く相手にされないわけだが。   「刈魔は相変わらず人気者だね」   「…それ誠司君が言う?」   「どういう意味?」   「…いや…なんでもない…」   余談だが、意味がわからずに首を傾げた誠司に女子は悶えまくったらしい。
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