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「頼む!!」
屋上にて男子生徒は土下座しながら頼み込んで来た。
男子生徒の名は平田。
相談したい悩みは…。
「引き受けた。ちょっと金は足りないが…初回ってことでまけてやるよ」
「恩にきる!!」
刈魔は7万円をポケットに無造作に押し込み、屋上を後にした。
目指す場所は学校裏の不良の溜り場である倉庫。
――10分後――
「待たせたな」
「早っ!!」
刈魔への依頼内容は不良達に奪われた『ある物』を取り返して欲しいというものだった。
そして今刈魔が手に持っているものは、写真を入れるタイプのペンダント。
それを受け取った途端平田は泣きながらペンダントを開き、中を確認する。
そこに映っていたのは初老の女性。
「よかった…本当に…よかった…」
「……差し支えなきゃ教えて欲しいんだが……中の写真は誰だ?」
「……お母さんだよ…俺を産んで……すぐに亡くなった…」
「…聞いて悪かったな…」
「いや…普通は気になるもんだろ?本当にありがとう」
泣き顔を無理矢理笑顔に変えて笑い掛けてくる平田。
しかし刈魔はもう用は無いと言わんばかりに屋上を出て行く。
「本当にありがとうな!!!!」
感謝の言葉を背に受けて。
――
この日、体育の先生が備品の点検に倉庫に来たのだが、そこは地獄絵図だった。
不良達が10人以上倒れており、歯がボロボロになっていたり、髪の毛をむしり取られていたり、酷い生徒は腕が間接とは違う所から折られていたり。
すぐさま救急車を呼びながら先生はふと考えた。
こんなことするのは…あいつだけだろうなぁ…と。
「…全く情けないねぇ…不良だからというだけでそこまで慌てない自分自身が…」
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