第二章

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「…何か言うことは?」   「…怒っちょる?」   「あぁ…果てしなく怒ってる…」   家に入って見たらあら不思議。   あちこち衣服(刈魔の)が散らばり、台所の皿と窓ガラスは割れ、掃除機はぶっ壊れ、テレビも故障、そして何やらゴミ箱に黒い何かが大量に捨てられている。   「…どうしてこうなったか言え…」   「…あんね…掃除と…料理ば…作ろうって…」   「………………こんのボケがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」   「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」   ――1時間後――   「お前はもう何もするな、家事も全部俺がやるから」   「………ぁぅ…」   『何故か』フローリングにボロボロになって倒れている黒羽は力なく手を上げて返事をする。   服装はボロボロになりかなり際どいお色気ポーズになっているが、頭のたんこぶのせいか萌えない。   刈魔は黒羽をソファーへ全力投球し、後始末に取り掛かる。   不憫にも思えるが、まだ小鉄のような扱いじゃないことと家を追い出さないだけ幾分マシなのだ。   ――   掃除機が使えないのでかなりの時間が掛かったが、何とか暗くなる前くらいの時間には後片付けを終えることが出来た。   ちなみにこの間黒羽は動かなかったというか動けなかったというか…。   割れた窓ガラスには応急処置として段ボールを貼りつけ、壊れた掃除機等は部屋の角に集めておく。   「…黒羽?言うことは?」   「…んと…手伝う…?」   「ま・ず・は・謝・罪・だ!!!!」   「んにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」   黒羽はこの日、精神的にかなり鍛え上げられたという…。
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