第二章

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泣き止んだ黒羽にさっさと料理を食べさせ、下着や生活用品は今日の内に深夜デパートで買うということを2人で歯を磨いた後に伝えた。   ちなみに黒羽が使った歯ブラシは新品の物を使わせました。   「黒羽は昨日風呂入らないで寝ちまっただろ?」   「……(コクコク)」   「だから今から下着買いに行くぞ。んで帰りに温泉に寄る。風呂場の灯油入れるの忘れてたからな」   「……………2人で…?」   「何故顔を赤くする?」   1人身を抱いて悶える黒羽をほっといて、刈魔はクローゼットから上着とジーパンを取り出し二階へと向かう。   廊下に出て「少し待ってろ」とドア越しに声を掛けて黒羽を待たせたまま階段を上がっていく。   「やれやれ…なんで俺はこんなことしてんでしょーかね?」   答えが返って来ることなどもちろん期待せず静かな空間に言葉は消えていく。   第一誰かを家に入れること自体がおかしいのだ。   「…まぁいっか」   あまり深いところまでは考えず、あっさり思考を投げ捨て自室でさっさと着替える。   黒羽は玄関でウキウキしながら待っていた。かなり楽しみなようだ。   「おう、行くか」   「…………(スッ)」   「…なんだその手?自分で買いに行くから金渡せってか?」   「………!!……(フルフル)!!」   軽い冗談のつもりでからかったのだが、黒羽は素早く刈魔の手を掴んでニッコリ笑う。   少し頬が赤いし目がキョロキョロしているものの、何とか刈魔に視線を合わせようとしているところなどかなり愛らしい。   「…ま、行くか」   「……(コクコク)」   黒羽はニコニコしたまま、刈魔の手を引いて外へと飛び出した。   刈魔もヤレヤレと首を振りながらも着いて行き、一緒に外に出る。     黒羽、ツンデレはどうした?
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