第一章

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「それなりに儲けたな」   ここは一三(にとり)高等学校の2年3組。   1人の男子生徒が授業中にも関わらず1人札束を数えていた。   身長は180cm超え。かなり明るい部類に入る茶髪に片耳ピアスが2つ。   どちらかと言えばイケメンの部類に入るが、彼のかもち出す雰囲気が全てを台無しにしていた。   邪悪なオーラを身に纏い、目付きは殺人者のように鋭い。   教師も最初は注意したのだが、なにがあったのか今では超VIP待遇である。   「…23万か…少し減ったな…」   かなりツッコミを入れたいクラスメートの皆さんも今は静かに勉学に励んでいる。   彼には二つ名がある。   『残虐なる悪魔』   いかにも安直且つ厨二な二つ名だ。   そんな彼の名は…。   ――   「刈魔(かるま)!!一緒に帰ろうよ!!」   高橋刈魔(たかはし かるま)。   それが彼の名。   何かを『刈』る悪『魔』と書いて刈魔。   まさに悪魔に相応しい名。   そんな彼に話し掛けて来たのは平塚誠司(ひらつか せいじ)。   この一三高等学校一番のイケメンである。   顔は女性でも嫉妬してしまいそうな程整い、身長は170cm前半。   誰にでも差別なく平等に優しくする紳士的な性格と甘いフェイスで女子達を虜にしている憎い奴。   現に今も後ろには大量の女子達が群になっていた。   「今日は用事があるんでな、先に帰ってろ」   「何の用事?」   「お前は俺の母親か?用事っつったら用事なんだよ」   「ん~じゃあ今日は1人で帰ろうかな…」   「…後ろを振り返ることをオススメする」   ちなみに誠司は天然の鈍感である。   テンプレ通り過ぎて頭に来そうだ。
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