第一章

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「後ろ?……女子達がいるだけだけど?」   「よしお前眼科行け」   「?俺目はいいんだけど?」   「わかった。脳外科だ」   刈魔は札束を懐に入れ、さっさとその場を後にした。   慌てながら誠司も後をついてくる。   「じゃあ近くまで一緒に帰ろうよ!」   「…お前たまに残酷だよな」   後ろで泣き崩れる女子達を誠司は軽く無視しながらこちらへ歩いてくる。   いや、最初の頃は気にしていたのだが今ではそれが風景と化しているので気にしなくなったのだ。   「じゃあ行こう!」   「…………」   ――   その後正門付近で誠司と別れ、刈魔は帰宅道を歩いていた。   用事があるというのは真っ赤な嘘で、ただ一緒に帰るのが面倒くさかっただけだ。   現に誠司は気付いていないが、誠司と一緒に帰ろうと目を光らせていた女子がひっそりと…しかし大量にいた為今ごろは大人数で帰っていることだろう。   「さて…しばらくは売れないな」   朝誠司がいない間に『皆の平塚誠司君秘蔵お宝販売♪』を行い20万を越える売上を手に入れたわけだが、毎日行っている光景ではなかった。   毎日売ってしまうとそれだけ価値がなくなってしまうので、月に1、2回しかしていない。   売上が好調なら1回で充分なのだが、今日の分だと後1回はしなくてはならない。   「まぁ今日買った奴もあんまり金ないだろうし…二週間後くらいかな?」   ちなみに刈魔が売る誠司グッズは隠し撮りや合成の塊で、かなりの人気を欲しいままにしている。   どうやって隠し撮りしたのかって?   知ったらあの世への片道切符を手に入れることになるだろう。   「確か家賃は明日だったが…まぁ今日でも問題ないだろ。ついでに電気代水道代ガス代全部払いに行くか」   ちなみに刈魔は1人暮らしである。
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