序章『生誕』
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老婆はその名前を聞くなり感窮まった様子で口元を抑えた。 涙ぐむ瞳を拭い、真っ直ぐに赤子を見つめた。 (やっと逢えた。永かった……また、逢えた。) 口には出来ない言葉を心で呟いた長老の頬には、堪えきれず流した涙がつたっていた。
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