プロローグ

3/3
前へ
/92ページ
次へ
ー同時刻ー 一人の男が真新しい墓の前に立っていた。 彼は白いバラの花束を大事そうに抱えている。 その花束を、そっと墓に供えた。 だが、男の表情からは怒りしか読み取れなかった....。 「てめぇのせいで.....あいつはっ!」 泣きそうな声で、そう言い放った....。 彼は最後に供えた白いバラの花束の脇に、真っ赤な、真っ赤なバラを1本置いた。 「一生許さねぇ.....紅い蝶は俺が守るっ」 男が去ったあと、静かな墓地に1匹の白い猫がやって来た。 猫は白いバラと紅いバラの前までくると... 「ニャー...。」 と鳴いて、また何処かに行ってしまった。 『僕は二人を見守るよ』 そう、聞こえたような気がした.....。 .
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加