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ー同時刻ー
一人の男が真新しい墓の前に立っていた。
彼は白いバラの花束を大事そうに抱えている。
その花束を、そっと墓に供えた。
だが、男の表情からは怒りしか読み取れなかった....。
「てめぇのせいで.....あいつはっ!」
泣きそうな声で、そう言い放った....。
彼は最後に供えた白いバラの花束の脇に、真っ赤な、真っ赤なバラを1本置いた。
「一生許さねぇ.....紅い蝶は俺が守るっ」
男が去ったあと、静かな墓地に1匹の白い猫がやって来た。
猫は白いバラと紅いバラの前までくると...
「ニャー...。」
と鳴いて、また何処かに行ってしまった。
『僕は二人を見守るよ』
そう、聞こえたような気がした.....。
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