小学校

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僕のおばあちゃんは耳がまったく聞こえない。 おばあちゃんが3才の時に高熱が出て、熱がひいた時にはもう耳が聞こえなかったそうだ。 だからずっと喋る時は手話だった。 母は両親ともに耳が聞こえなかったからいつもおばあちゃんと喋る時は手話だ。 僕も小さいながらおばあちゃんが手話で話すのを覚えておばあちゃんと話すのが楽しかった。 どうしてもわからない時は母に通訳してもらうんだけど… それでも手話ができる僕を可愛がってくれた。 風呂に入れてくれたり、おんぶしてどこか連れていってくれたり。 そんなおばあちゃんが好きだった。 ところが親父はおばあちゃんが何か言うと 父『キチガイが何か行ってるぞ』と母に言う。 キチガイって… お前の方がキチガイじゃ! それを言うたび、僕は心のなかでつぶやいた。 耳が聞こえない人に何て事言うのか… 母もほとんど親父の言う事は無視に近かった…
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