第二章~暗き森の月の下~

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・・・ねぇ、どうしてこうなってしまったの?私はいつも一人ぼっちだったから、ここでの生活もさほど苦しくはなかった。私は、先祖のために生きなければならない。簡単に、自分の命を捨てるなんて、出来ない。この王国に革命が起こったのは、ここ数年の話だと森の噂で聞いた。革命が起こる前からフェリス族はとっくに滅んでいたけど、そもそもなぜ滅んだの?そう、今マルグリート王国を納めているあの姿なき王女。あの王女様の先祖が、このマルグリート王国を侵略した。これはあくまで噂。だけど、私はなんとなく本当な気がした。王女・・・今の王女はとても優秀で、心優しき人だと聞いているのだけど・・・。私は不安だった。私は死んだ母さんの残したペンダントを見つめた。「母さん・・・もし生きていたら、今の私をどう思う?」 私はこの生活が嫌いじゃないけど、どうしても今の自分を惨めだと思ってしまう。きっと、他人から見たら私の人生はつまらないものそのものだと思う。誰とも話さずにひっそりと生きていて・・・。なぜ、私が生き残りだったの。私みたいなのが生き残りで、神様は許してくれるの??
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