第三章~王女様の箱庭~

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朝だ。昨日は結局・・・夢か?いや、現実だ。目が覚めて、見上げると知らない天井だ。「私に仕えよ」そんなこと言われたっけ。あの、小さな小さな王女様に・・・。「リリスさん!リリスさん、朝ですよ!!」はっと起き上がった。昨日の男だ。「あ、あの、あなたを何とお呼びすれば・・・」「あぁ、私の名前はハーウェスと言います。すみません、申し遅れて。」「いいえ。あ、あの・・・な、何かするんですか・・・」「まず、リリスさんにはこれを着て働いてもらいます。」僕はある服を手渡された。今僕が着ている服よりも上質な素材でできている。「それでは、下でお待ちしています」といってハーウェスさんは部屋から出ていった。僕は服を着る。シルクのようななめらかな着心地。うん、それに動きやすい。鏡の前に立って見ると・・・召使っぽい感じ。 僕はそのまま下へ降りた。ハーウェスさんが待っていた。「リリスさん、これからアリア様の朝食の準備を手伝ってもらいます」なるほど・・・やっぱり、この城では僕は雑用というか、本当に召使なんだな。でも正直いって、家事なら手慣れている。僕は厨房に入り、手伝いをした。
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