第三章~王女様の箱庭~

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僕は厨房に立つ。・・・なんだろう、この食材。どうやって使うんだ??僕は生まれてきてから、初めて見るものばかり。王女様の食べる物は、どれも高そうな高級な食べ物ばかりだった。僕は出来上がった料理を運ぶ。王女様の部屋の扉をこんこんと叩く。と、その時、ばん!!と扉が勢いよく開いて顔にぶつかる。あぁ、痛い・・・。「朝食が遅いぞ、リリス。私は時間にはうるさいぞ。まったく、私をここまで待たせるなんて・・・」アリアはぶつぶつと文句を言った。なんで僕がこんな目に・・・。僕はテーブルに料理を置いた。「それと、私の食事には必ずナイフを五本、スプーンを二本だ。まったく、気が利かないな・・・」僕は腹がたった。「アリア、君随分とひどくないか?」「ん、私には敬語だぞ。しつけがなってないな」「子供に言われたくないね」まったく・・・いったいどういう教育を受けているんだこの子は。まぁ、生まれてきてからこの城から出たことがないだろうから、礼儀を知らないんだろう。なんてわがままで自分勝手なんだ。困ったもんだ。「アリア、ご飯こぼしてる」「な・・・き、気やすく触るな!!」「なんだよ、拭いてやってるんだろ」僕はドレスに落ちたご飯をふきんで拭いた。
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