第一章~はじまりの日~

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僕は疲れた足を少し休めて再び歩き始めた。でも、まだ足が痛い。よく見たら・・・靴づれして血がでてる。どうりで痛いわけだ。でもまさかケガするとは思っていなくて、手当ての道具もない。どうしよう・・・。 「誰・・・?どうしたの・・・?」 うずくまってると、誰かが近づいてきた。思わずびっくりする。まさか森で人に会うとは。黒いフードをかぶっている。顔がよく見えなかった。「足・・・ケガしてる・・・」フードをパサリと外した。少女だった。実に端正な顔立ちだ。瞳の色は赤く、格好とは実に不似合いだ。少女は懐から包帯をだし、僕の足に巻き付けた。「あ・・・」「動かさないで。私はこの森の奥に住んでいるの。ここは野生の動物がいて危ない。すぐに抜けた方がいい。」そういうと、少女はすくりと立ち上がり、去ろうとした。「まって・・・えっと、手当てありがとう。君の名前は・・・?」「私・・・私の名前はセルシア。」そう言って少女は去った。セルシアか。また会いたい。
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