第一章~はじまりの日~

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僕は手当てしてもらった足をひきずって、森を進んだ。もうすぐ朝だ。日が昇り始めてる。少しすると、霧がでてきた。地図を見ると・・・あと少しだ。あと少し、あと少し・・・。霧を抜けた。すると、なんと見たこともない豪邸があった。いや、これはもはや城というべきか。庭には一面薔薇の花が美しく咲きほこっている。きれいに手入れされているようだ。僕は城の扉を見つけた。が、なかなか重い。力をふりしぼって、おもいっきりケガのない足で扉をけっとばした。すると扉が開いた。中へ入ると、これまた素晴らしかった。数々の装飾品がずらりと並んでいる。どれも高そうだった。僕は足が痛くて、フラフラしていた。まっすぐ歩けない。螺旋階段を上ろうと手すりに手をかけかけた時、ドン!!と何かにぶつかる。床に倒れた。「あ~、痛い・・・」ふと顔をあげた瞬間、はっとした。 ぶつかったのは、幼い女の子だった。それにしても、素晴らしい美少女だ。綺麗な金髪を二つ結びで上にあげ、巻いている。瞳の色は澄んだ青で、リボンのケープにフリフリのドレスを着ている。一瞬人形と間違えてしまうほどだった。
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