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「──これで、良かったのでしょうか?
発射口の向きを反転させてしまうなど、本意では無かったのでは?」
「構わないわ。
私は彼より地球を恋してしまったのだから……」
「それなら、心配するのは詮無きことでしょう」
月の界隈の宇宙(そら)にはエンタシスを覆う円蓋が浮遊しては、月に墜落していた。
そこには、かの有名なクレーターが出来る。
「これから私達は"原初の海"を起点に歩まなければならないわね。
──行きましょう」
「承知致しました」
2人を載せた宇宙船は恣に地球へと向かう。
「姫様は地球で何をなさるのですか?」
「また私は赤子になって、翁の世話になろうかしら。
──"かぐや姫"として」
─fin─
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