笑顔

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「そんな物は偽善だ! 下衆な民族の情などに流されるな!」 「下衆などではないわ。 私が地球を去るときも彼らは総力をあげて引き留めてくれた。 到底敵うはずの無いと知っていても……」 「もういい」 俺は彼女の話を遮った。 今更何を言っているのか……呆れて物も言えない。 「駄目だ。 明日の攻撃は"決行する"」 ──やはり、懸念した出来事が起きてしまった。 婚約者が地球人にたぶらかされたとなっては、こちらも面目が立たない。 本来ならば、帰還したばかりの花嫁を愛でるべきなのに……。
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