独り―Prologue―

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いつも私は独りだ。 誰かと話しをしてても、誰かと遊んでいても、私の心は独りだ。 でも、誰かに助けを求めたことなんてない。 だって、疲れたんだもん。 助けを求めたところで、誰も助けてなんてくれないんだから。 コツ…コツ…コツ… あ、まただ。 最近よく私の頭の中に誰かがやってくる。 何がしたいのかわからない。 ただやってきて、私の独り言を聞いて帰っていく。 そこに私の意思は関係ない。 相手は黙ったまんま、私の話しをひたすら聞いている。 今日は、昔の話しでもしようかな… 「ようこそ、私の頭の中へ。」 彼女は静かに会釈して、近くの椅子に腰掛けた。 私は話しはじめた。 心に留めた、小さな小さな、物語を…
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