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【だいすき】
大好きの魅音視点
詩音が分校に転校してから一週間がたった。
始まりは私のこの一言。
「詩音と同じ学校いきたいなー…」
とぼやいたのがきっかけ。
「そうですねー…」
そう言ったあと詩音は黙り込んで何かを考え始めた。
「……詩音?」
まさか本気で転校してくる気なのだろうか………
と、思ったその時。
「鬼婆に交渉してみます!」
……予感は当たったのだ。
そして交渉した詩音はばっちゃのだした条件をこなし今に至る。
なんというか……詩音が隣で一緒に授業を受けてるというのが夢みたいで恥ずかしいのだ。
今日もそう。
ホントはくっついていたい。
だけどレナとか圭ちゃんとかがいで恥ずかしいからくっ付けない……
授業中そんなことをずっと思っていた。
すると突然詩音から渡される紙。
そこに書いてある言葉をみると“大好き”
と一言。
顔が熱くなっていくのが面白いくらいにわかる。
どうしよう……嬉しいけどとにかく恥ずかしい。
普段2人だと大丈夫なのになんだかみんなのいる分校で……紙に書いてある言葉とはいえ恥ずかしいもんは恥ずかしい。
そんなことを思っていると凄い視線を感じた。
というか今も視線を感じる。
その視線のほうをチラッとみると詩音がこっちを凄い見ているではないか。
……返事を待ってるのか?
私は素早く違う紙に“だいすき”
と書き詩音に渡す。
その紙をみた詩音を見ているとなんだか先程よりも凄い……顔が熱い。
……詩音のバカ。
後でトイレに連れ込まれたのは言うまでもない。
______
詩音が渡してきた紙に返事を書かなかったのはその紙が欲しかったから。
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