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だが残念な事に生徒会室へ行く他の手段が思いつかない清那は、仕方なく言われた通りに机の整頓を始める。
反対側から黒田があわせた線に沿って、きっちり正確に。
「ありがとう、お陰で早く終わったわ」
「……いえ」
「じゃあ行こか」
清那は黒田の事を『不思議な雰囲気の人だな』と思っていた。
彼の会話はそのテンポも独特で、今までに出会った事がないタイプだと密かに分析する。
微妙なイントネーションの関西弁も、それを見事に後押ししていた。
「清那さんて、あんまり話さない人なんやね」
「……そうですか?」
「なんか一線置かれてる気がする」
――誰でもそうだろっ
そうつっこみたい気持ちを抑えると、清那は平静を装いながら素知らぬ顔で首を傾げた。
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