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2階にある職員室の前を通りすぎ、階段とは反対の方へ。
少し歩くと目の前に3つのドアが見え、その中でも中央の部屋にだけ明かりがついていた。
「生徒会室はここやで」
「ありがとうございます」
そう言って頭をさげる清那。
そしてドアをノックしようと清那が手をあげた瞬間、彼女より先に隣に立つ黒田がなぜかそのドアをノックし始めた。
――えぇ?
彼の理解不能な行動に、思わず顔をしかめる清那。
「清那さん、連れて来ました」
中からの返事も待たず、生徒会室のドアを開けた黒田の言葉に『それ、お前が言うセリフか?』と清那が呆れる。
「きゃー!」
と、部屋の中から女子のものと思われる悲鳴が聞こえてくる。
その悲鳴に『中で着替えでもしていたのか?』と、清那が訝しげに首をひねった。
「やったー! 来たぁっ」
その声と共にドアの前に立つ黒田を押しのけ飛び出してきたのは、生徒会長の原田麻沙美だった。
彼女は飛び出してきた勢いそのまま、目の前の清那に抱きついた。
そんな突然の出来事に驚いた清那は、そこからぴくりとも動く事ができなくなってしまった。
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