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「じゃあさ、あと舞と清那で会計と書記、どっちやるか決めてくれる?」
「舞、計算できないよ」
麻沙美の言葉に慌てた舞が飲んでいたコーラを一旦机に置くと、麻沙美の顔を心配そうに見つめる。
「大丈夫。会計って言っても何か計算するわけじゃなくて、名前だけみたいなもんだから。仕事は……生徒会の活動で何かいる物があった時に、買い出しで財布持ってもらう位かなぁ、ね?」
そう言って麻沙美は、ドアの近くに立って手持ちの書類を見つめる森山に同意を求めた。
それに気付いた森山が、チラッと麻沙美に目配せをすると無言のまま小さく頷く。
「書記の方が大変かも。色々記録したり、月紙書いたり」
「げっし?」
「生徒会で毎月1回発行する新聞みたいなやつ。今までの生徒会でも、大体書記の人がやってたみたい」
笑顔の優奈が的確な説明をすると、隣にいた麻沙美が「それそれ」と茶化すように相槌をうつ。
優奈の説明に納得した舞は、大きく2回頷くと「じゃあ会計にする」と勢いよく右手をあげた。
「じゃあ清那は書記ね」
――早い者勝ちか
スピード勝負と言わんばかりの決定のテンポの速さに、清那は異議すら唱える事が出来ない。
結局、彼女は何も発言する事なく役が与えられてしまった。
というよりむしろ、ごく自然な形で生徒会に入会している事を前提に話が進んでいるのだ。
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