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「後程、楽しいか」
「はい……いや、楽しくはないっす」
「え? そう……か」
彼女の予想外な返答に、ただでさえ大きい山内の目が更に大きく開かれた。
「仕事、嫌なのか?」
「いや、そういうんじゃなくて……仕事って、誰にとっても楽しいってものじゃないじゃないですか。あ、でもだからって仕事が嫌なわけじゃないです」
「お前しっかりしてるな」
「っていうか舞、今の全然意味がわかんないんだけど」
顔をしかめた舞が、小さく首を傾げる。
一方の山内は清那の話に感心したように頷くと、改めてその力強い目で清那を見た。
「遠野が神崎の事、べた褒めするんだよ。仕事が出来るし、考え方もしっかりしてるって」
遠野とはA班の係長代理で、主に中、後程を担当する清那の直属の上司の名だ。
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