プロローグ

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――教団の室長室に響く2人の声 「え?湖?ただの湖?」 「うん、そう。そこを調べてきてほしいんだ」 声の主は、その室長と、黒くて長い髪の毛を真っすぐに揃え、丈の短い着物を着ている1人の女子。 彼女はまさにこの物語の主人公で、教団の使徒…真辺なつ。 室長室に呼び出され、たった今任務命令を出されたところだ。 資料まみれの机の向こうにある椅子に腰かけた室長が再び口を開く。 「そこの湖のほとりだけ調べてなくてね。頼むよ~」 声を変えながらなつにおねだりする。 なつは少々顔を引きつらせながらため息を一つだけ吐き、ゆっくりと口を開いた。 「……わかりました。その代わり何もなかったら一発殴らせてくださいね?」 関西独特の訛りを効かせながら、室長に満面の笑みを向ける。 その笑顔に「怖いよなつちゃん……」と言いつつ、室長もなつに笑顔を向けた。 「いってらっしゃい!」
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