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「んー、気持ちええなー……」
そう言いながら体を伸ばして、なつはその場に寝転がりゆっくりと目を閉じた。
心地よい風が、彼女の綺麗な黒髪を優しく撫でる。
その姿を、“ある人物”が遠くから見ていた。
なつとは反対側からやってきた“彼”は、初めこそ気付いていなかったが近づくにつれて気配を感じ木陰に身を潜めながら、なつの行動を見ていたのだ。
その“彼”とは……彼女の敵で、名前をミノルという。
「……ん?」
その視線を感じたなつは、ゆっくりと起き上がり、辺りを見渡しながら念のため首に掛けてある自身の武器になるネックレスを握る。
ミノルも相手に気付かれたことがわかれば、自身の武器である特製の睡眠薬の入った小瓶を懐から出し、相手の様子を伺い続けていた。
なつは静かにネックレスを首から外し、チェーンの部分から徐々に薙刀へと変化させた。
そしてそれを両手で持ち、今気配を感じている敵がどこから来ても良いように構えた。
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