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その様子を密かに伺っていたミノルも、相手が武器化させたのを見ては睡眠薬だけではダメだと思い、懐から小刀を取り出した。
そしてゆっくりと、なつの前に姿を現す。
「アンタか、さっきからうちのこと見てたんは」
ミノルが姿を現すと、なつはすぐに口を開き、薙刀を構え直してそう言った。
ミノルは「あぁ」とだけ言って小さく頷く。
二人とも戦闘態勢はとったままである。
普段からあまり黙っていられないなつは「ふーん」と頷いてから再び口を開いた。
「アンタ何しに来たん?こんな綺麗な所に、ただうちと戦いに来たんか?」
そう問いかけて、薙刀を構えたままミノルの返答を待つ。
ミノルは間すら空けず散歩だと答えた。
そして次ぐ。
「しかし敵と会ってしまったなら戦わざるを得ないだろう」
その言葉に、なつは「へぇ……」と漏らしてから薙刀の柄を伸ばす。
「ま、そりゃそうやな」
そう言って薙刀をミノルに向けて伸ばしていき、彼の右頬ギリギリのところを通過させて、その奥にある木に刃を刺した。
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