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いつもの一日が始まっていく。
決まった時間に起きて、決まった時間に家を出る。
決まったコースを駅まで自転車で走り、決まった電車に乗る。
決まった駅でおりて、決まったコースを歩き、高校に向かう。
かわりばえのしない毎日。
今日もそんな繰り返される一日………の、はずだった。
下駄箱を開けて、上履きの上の封筒を見るまでは。
………固まること数秒。
そっと下駄箱を閉める。
おかしい。
見えてはいけない物が見える。
あるはずがない。
あるはずがないんだ。
僕の上履きの上に、ピンクの封筒なんて。
まるでラブレターみたいじゃないか。
目の錯覚?
幻覚?
疲れてんのかなー。
はは……、まいったなー。
こんな白昼夢見るなんて。
深呼吸を繰り返して、ゆっくり下駄箱を開ける。
………なぜか見える。
男子校なのに、僕の上履きの上のピンクのラブレター。
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