しるべとネコ

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「物語の主人公みたいだ!」 不安や恐怖は、好奇心により吹き飛ばされた。 いやー、本当にどうしよう。 ワクワクが止まらない! 「どこに行こうかな!?あたり一面お花畑。うんうん、いい感じ!だいじょーぶ、晩御飯までには帰れるよ!!」 テンションがどんどん上がる。 なんせ、体の調子がすごく良い。 ちょっとした、高揚感。 さっきまで、ジッメジメのアッツアツだったけど、今は花のいい香りとちょうどいい温度。 お日様も強すぎず弱すぎず、そよ風があたり気持ち良い。 「うー…っ、はー」 優しい風に短い髪をなびかせながら、大きく伸びをした。 「よーっし、行くぞー!」 特に行く場所に当てがあるわけじゃないけど、一歩――踏み出した。 それとほぼ同時に。 「あんた、誰?」 後ろから声がした。 声の高さからして、女の子の声だ。
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