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「…それにしても、おかしいな」
タマちゃんは、そう呟いた。
「なにがです?」
「時々いるらしいんだよ。この世界に迷い込んでくる人間が」
歯切れが悪そうに、タマちゃんは言った。
「じゃあ、おかしくないんじゃないですか」
「いや、なんでも迷う込んでくる人間は、必ず10歳らしいんだよ。ところがあんたは3歳オーバー」
「はー、なるほどー」
もう“あんた”って言うのは、いいや。
いちいち考えるのは、めんどくさいしね。
それにしても、初めて上の年齢制限に引っかかった。
なんか、大人になった気分?
「まぁ、あたしもその辺についてはいまいち知らないし、母さんに聞いたらもっと色々わかると思う」
「タマちゃんの、お母さん……」
きっと、タマちゃんの大きくした感じなんだろうなぁ。
猫が立って、服きて、ふかふかで←?
そんな感じの想像をめぐらせる。
「ほら、着いたよ」
しばらくすると、タマちゃんのお家にたどり着いた。
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