しるべとネコ

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お花畑の中に、ポツン一つだけある、ウッディーなお家。 大きさは、人間のものに比べると一回り小さい。 でも、けして小さすぎるわけではなく、小柄な私なら普通に飛び跳ねられそうな大きさだ。 「…………」 「どうしたの?」 「――え?いえ、なんでもありません」 思わず、黙り込んでしまった。 何でだろう。 この家を見た瞬間、不思議な感じがしたんだ。 いや、この世界に来てから、不思議な感じ以外の感じはしていないけど。 それとは別の、不思議な感じ。 そうだなぁ、たとえるなら、“久しぶりに好きなものを見た”。 そんな感じだ。 「そう?ならいいけど。入るよ」 タマちゃんは、そう言いいながら、家の扉を肉球で器用に開けた。
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