しるべと思い出

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「あーーー!思い出した!!」 思わず叫んだ。 「確かここで、寝ちゃって、お母さんにおんぶしてもらっておばあちゃんの家まで行ったんだ!」 微かだが、寝る前のことを思い出した。 アイスを食べて、家の日陰でいい感じのコンディションに戻って、そしたら疲れで急に眠くなって、寝ちゃった。 そして、次起きた時は、もうすでにおばあちゃんの家。 「どうしよう、これじゃたどり着けないよー!」 こうなったら、難解の地図を読むしか…お母さんがおんぶして運べる距離だ、そう遠くないはず。 だけど、たとえ近場でも地図を元に目的地まで行く自信がない。 そうだ。 ケータイはちゃんと持ってきてるし、電話しておばあちゃんに来てもらおう。 ここまでこれて、ギブアップは悔しいけど、それしかない。 そう思い、ケータイをあける。 「圏外!?しかも、電池が無い!」 圏外なんて初めて見た。 それに、昨日充電を忘れてようで、電波が立つ場所を探している間に電池がなくなってしまいそうだ。
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