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3.11
あれから3年
震災翌日、ようやく安否確認の取れた、福島県伊達市在住の叔母は、職場である市民病院で患者さんの看護に当たっていた。
『ヒドイ揺れがまだ続いてる
天井が崩れ落ちてきて、ショック死するお年寄りがたくさんいたの
これから、避難してきた人達を対応していかなきゃいけないから切るよ、ゴメンね』
昨年夏、定年退職した叔母の電話口の声は、切なさと笑顔が入り混じる。
『あの時は、本当に死ぬと思ったよねぇ
でも今こうして、無事に自宅からリューと話しができてる。
心配なのは、孫や子どもたちのこと。
毎日、見えない放射線物質にまみれて過ごさなきゃいけないから、外でも思いっきり遊べない。
子どものいる若い親たちは、不安とストレスで、子どもに怒鳴ったり、手を上げてしまったりしてる人もいるの。
福島はこれから、どうなっていくのか、これからの人達を思うと、やりきれないよ。』
福島県甲状腺学会の学長は、県内の子どもたちに対して実施した甲状腺量検査の結果を軽視し、再検査をしないよう、親たちに通達を出しているとか。
実際の検査結果は、チェルノブイリでの測定値を大幅に超えるレベルであるという報告もされている中での、この陳腐さを、どう見るべきか。
未だ30
日本の進むべき道のりは
本当の意味での復興とは
一体、何なのだろうか。
未曽有の天災を受け、3年目の今日
こうして無事に服を着て家事を片付け、朝食を済ませて子を送り出し、通勤の途に着ける事への幸せを噛みしめながら
福島の青い空と、美しい大地に思いを馳せる。
決して対岸の火事ではない、現実の東北の彼の地を忘れない為に。
今日を精一杯生き抜こう。
私達には私達の
出来る事を、精一杯に。
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