第一章‐現実

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第一章‐現実

パチ――! 夢から目が覚めるとその先は天井。無意味に手を伸ばす茜はふと一つの疑問を抱く。 「何回目だっけ…あの夢見るの」 何度も見た夢、始まりも終わりも毎回同じで前に進むこと無い夢。夢を見る度、不思議に感じ、思い返すと、 「茜ー!朝ご飯、出来てるわよー。早く来なさーい」 と、母からの一言。とりあえず返事をして制服に身を包み、階段を降りる。 「今日から二学期なんだから、もう少し早く起きたらどうなの?」 でた…いきなりの文句、と口には出さないまま椅子に座り黙々とご飯を口にする。誰もが味わうこの日常を、彼女は数分後に奪われるとは知らなかった。
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