希望を信じて何が悪い!?

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 最後にアルを見たのは、もう二日もまえだ。  今でもアルの最後の言葉を覚えている。耳に残る言葉と言える言葉ではないが、あいつの最後の言葉だ。忘れる訳にはいかないだろう。 「貴女には奪わせないし、奪えないか」  そう言いながら、アルはノノに連れられてカトレーヌの城を去っていった。  俺は今、四肢の自由を奪われ、手は何にも触れられないようにガチガチに固定されていた。  だが、牢屋なんて湿気た場所じゃない。俺が幽閉されているのは、カトレーヌの部屋だ。  それで今は、カトレーヌはベッドですやすやと眠っている。しかも、裸だ。まあ、チラッと見ただけだから本当に裸かどうかわかんないけどな。 「レン、起きてます?」 「ああ、まあな。こんな状態じゃ、まず安眠は無理だな」
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