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連絡がついた中に、深桐もいたが、素気なく断られてしまった。
忙しいのともう一つ、もどきとはいえ犬を飼いはじめたのがいけなかったような気がする。
あの人は生粋の猫派だ。
他にあった心あたりも有料だったり物騒だったりで、頼めそうになかったのだ。
「茸博士、友人少ないのね」
「ルナさんも人の事言えな……痛い痛いすみませんでしたごめんなさいっ!」
いつの間にか前に立っていたルナにグリグリと眉間に拳を押し付けられて、思わず悲鳴をあげる。
「まったく……」
それでようやく満足したのか、手が離れる。
「いったいなぁもう……」
あまりの痛みに素に戻りつつ、眉間を触って確認するクルトーラ。
痛いだけで凹んではいないようだ。
「けど、なんで人を誘ってるの?二人分の費用だせる程余裕のある生活送ってないわよね?」
クルトーラの素性だけでなく、何故か懐事情も把握しているルナはなおも訝しんだままこちらをみやる。
「ああ、今回公費が下りるんですよ。委託みたいなものなので」
今度はクルトーラが即答した。
つまり、多少費用がかかろうがこちらの懐は痛まない。
意図を察したのか、ルナが呆れたようなため息をついた。
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