参・友人と茸のための外出についてのレポート

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 出汁がさらに飛び散るのを、クルト-ラは大慌てでふき取る。 「ほら、だから言ったじゃない!」 「すみません……」  床を拭くクルト-ラの横で、ルナが怒る。  ハンカチで頬を拭いているあたり、そちらにも飛び散ったらしい。  他の客には被害は及んでいないらしく、遠巻きにこちらを見たり、外の様子をうかがおうと幌の窓や隙間を覗き込んでいる。 「にしても、」  皆が気にしているように、外がにわかに騒がしい。何か言い合うような声が聞こえてくる。  今まで見たことのない様な声で、幌の向こう側を唸る。 「ルート選択謝りましたかね?」 「かもしれないわね」 「何も、襲ってくるのは野生動物や魔物だけではなかろう」  唸るパドストールを抱え上げて、ずっと不機嫌そうに黙っていたへカトンケイルが口を開く。  パドストールに余計に吠えたてられているのも気に留めないあたり、さすがである。
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