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おまけ
翌日の昼
今日は知世さんの部屋に遊びに来た。
いつも通りオセロに熱中していて6連敗した時。
次の勝負を始めながら、結局聞けず仕舞いだった普段の私の可愛いところを聞いてみた。
まぁ、ほんとに一晩かかる訳ないし…
知世さんは黒い駒を置いて、昨日の私の可愛いところについて、照れながら答える。
「まず…マンションを出る前、支度が出来た確認の電話をした時の、明るい初芽さんの声が………可愛かったです…」
…ええええぇ!?
「可愛い」ってそういうモノだっけ!?
「部屋から出てきた時、少し恥ずかしがっている初芽さんも可愛くて…
あ。服も髪も、とても似合ってました!」
『あ、ありがと…』
「車の中で、何かを考え込んでいる初芽さんも…
こっちを見てくれなくて寂しかったですけど………可愛くて…っ」
『…』
「それから―――…」
『………』
…ねぇ、知世さん
「一晩かかる」って言葉………
嘘じゃなかったんだね?
…もう2時間経ったよ?
「それから、昼食にセットで付いていたケーキを、幸せそうに食べる初芽さんも可愛かったですし! それから…!」
2時間経ったのに、話の中の私達はまだ映画館にも入ってないね
しかも、オセロしながら話してるのに、私30連敗はしたよ
私なんかとの勝負なら、集中しなくても勝てるってことだね…
「それから―――…!」
…どうしよう
そろそろ止めた方が良いよね?
オセロも飽きてきたし…
このままじゃ、夜になっても話は終わりそうにない…
でも…
「―――な、初芽さんも可愛くて…!」
かなり楽しそうに話してるから止めづらい…
もう話してる内容なんて全く頭に入らず、ただ知世さんを見つめる。
ほんとに楽しそうだなぁ…
…あ。また負けた
『ねぇ…知世さん…』
「それから、その後の初芽さんも…!
…え? 何ですか?」
『…ゴメン。聞いてても、全然分かんない』
「…ええええぇ!? 何故ですか!?」
2時間喋らせといて、理解出来なくてゴメン
でも、知世さんの感覚を理解するのは無理だってことは分かったよ
もう二度と聞かないから、その辺で勘弁して下サイ…
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