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カチャ……。
一通り指摘が終わり、先程私が運んできたコーヒーに、角砂糖を2個入れてスプーンでかき混ぜる吉川さん。
「……」
無いな、って思う。
どこをどう見ても“私はブラックしか飲みません”って雰囲気なのに、毎回角砂糖を2個も入れる。
正直、最初見たときにはドン引きした。
雰囲気にそぐわないのもだけれど、男なら普通ブラックを飲むべきでしょ。
弟が毎週日曜日の朝に欠かさず決まったアニメを見るのと同じくらい、なんかイヤ。
絶対彼氏とかにはしたくないタイ――。
「どうかしましたか?」
じっと見てしまっていた私をゆっくり見返し、一重で切れ長の目が冷ややかな視線をぶつけてくる。
ビクリ、として、
「いえ、何でもないです」
と目を逸らした。
見られると視線に刺されているようだ。
厳しい眼光は、常に私を委縮させる。
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