コーヒーに角砂糖

２

カチャ……。

おそるおそるいつもの研修室を開ける。

吉川さんは筆記用具と電卓を机の上に出して、とても綺麗な姿勢で定位置に座って待っていた。

……う。

やっぱり撤回。

こちらの部屋も拷問部屋には変わりなかった。

「では、始めましょうか」

「……お願いします」

お決まりの言葉と共に、私が差し出した書類諸々を手早くチェックしていく。

予想外の日に来られたから整理の仕方も甘いし、見直しとかしてないんだけどな……。

まあ、ちゃんとしたとしても結局指摘はされるんだけれど。

「……」

半分くらい見られた時に、静かに吉川さんの手が止まった。