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女性はそう言いながら、何かを確認するように、路地裏の奥に顔を向けた。
「……?なぁ、あんたさっきから何言ってるんだ?」
青年はそう言った後に妙な違和感を感じた、今雨宿りしている場所もそうだが、近の大きな道にも人の気配がしない。
野良猫くらい雨宿りしててもいいくらいなのに。
この女性が言うように人払いでもしたかのように雨音だけが響く。
『後は……任せた……。』
誰に向かって言ったかは分からないが、女性はそう言うと路地裏の奥へ歩き始めた。
(人払い…協定違反…殺処分…?よく理解できないが…ヤバイ人には関わらないほうが良いな)
青年の中で第六感とも言える胸騒ぎがした。
そして女性が奥へ歩いて行くのを見て、ゆっくりと反対方向を向き、勢い良く走り出した。
が、走る態勢に入る瞬間に頭に衝撃を受け倒れこんでしまい、意識が遠のいていった…。
遠のく意識の中、軍服?を着た人物が近づいてくるのが分かったが、はっきりと見る前に意識が堕ちた。
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