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『手際……悪すぎるんじゃ……ない?……サファイア……』
サファイアと呼ばれた軍服?の女性はムッとした顔で返した。
「うるさいわね、ちょっとした手違いよ!手下共使えなさすぎ、減給確定ね!」
その言葉に、気配を消し青年の背後に回り込んで、後頭部に絶妙なチョップを叩き込んだ黒尽くめの男がガッカリしていた。
『ご愁傷さま……』
「それよりもコレ、どうするつもり?アクア?」
『あの方に……連絡……して。私は……もう帰る……。』
「もしかして例の計画に入れるつもり?」
『そう……、カンコウイチ……。』
「運が良いのか悪いのか……、可哀想な子ね。」
そう言って白衣と軍服の女性は青年を黒服に担がせ、薄暗い裏路地の奥へと消えて行った。
女性達が去った後、いつの間にか雨雲はなくなり、清々しい青空が顔を覗かせる。
晴れ渡った路地裏には何事も無かったかの様に、青年の姿は無く野良猫がお気に入りの場所で欠伸をしていた。
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