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みほちゃんはつよい。女の子だけど、イジメられても泣かないし、イジメられてる子を見つけるとすぐに助けに行く。木登りも、ジャングルジムに登るのも、とっても早い。ボクとは正反対ねって、おかあさんは言う。
でも、みほちゃんはカエルが大きらいで、カエルを見つけると「ぎゃっ」って、飛びはねてボクの後ろに隠れちゃう。ボクより背が大きいのに。
みほちゃんは、お人形遊びより、外で遊ぶのが好きで、スカートよりズボンがよくて、長い髪の毛をポニーテールにしてる。
おばあちゃんが買ってくれたランドセルが赤いのが、少しいやなんだって。
「ねぇ、どうして、男の子と女の子で、色が違うんだろう。イトコのカズくんは、カッコいい銀と青のやつなんだよ。アタシもあれがよかったのに、みほは女の子でしょって、バーちゃんに笑われた」
「うーん。どうしてかな? いろんな色があるんだから、どれでもいいのにね」
「ゆうも、青より赤がよかった。かわいい模様が入ったやつ」
「ゆうちゃん。アタシととりかえっこしよっか。模様はないけど」
「いいの? でも……ママに怒られちゃうよ。みほちゃんも、おばあちゃんに怒られちゃうよ、きっと」
ゆうちゃんも、みほちゃんもがっかりして、地面をくつの先でぐりぐり掘った。
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